PVC、ポリ塩化ビニルは、建築業界などで最も広く使われている熱可塑性重合体です。PVCは他の化学品に対して高い耐性を示すと共に、さまざまな添加剤と容易に混合させて特性を調整することができます。PVCは異なるレベルの重合によって製造し、例えばこれによって硬質PVCと軟質PVCとが分かれます。
PVCは複数の工程を経て製造されますが、その1つに懸濁重合工程があります。この工程では、塩化ビニルモノマーを水中で強力攪拌によって分散させ、懸濁安定剤を添加することで塩化ビニル滴の癒合を抑え、モノマー滴の粒径および重合後のPVCの粒径と多孔性を調整します。
HPMC - ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ARBOCEL® CE)は、PVA(ポリビニルアルコール)と共に最も広く使われている懸濁剤の1つです。
ARBOCEL® CE は粒径を制御することで、均一な粒径分布と多孔性を実現します。重合体粒子の多孔性は可塑剤や安定剤などの添加剤の吸収特性と強い相関性があり、最終的に加工時および最終製品で、求める重合体の特性を実現することができます。
この工程で製造したPVC粒子の粒径は 50~300µm で、滑らかな表面と不規則な形状をしています。内部は 1~3µm の多孔質、外部は厚さ 0.5~1.0µm の皮膜で覆われ、大部分はPVCです。このように複雑で特異な形態は、PVCの基質における不溶性に起因しています。
超低粘性の ARBOCEL® CE は、PVC製造工程に最適な製品です。PVC懸濁剤としての性能特性は、メトキシおよびヒドロキシププロピルの置換度と粘性によって決まりますが、これら以外にも、HPMC粒子の粒径は特に円滑な製造のため完全に溶解できるようにデザインされています。